穏やかな毎日

グリーンネックレス

 振り返ると、あの毎日は何て穏やかに過ぎていったのだろうかと思うことがあるが、姫を育ててきたこの日々は穏やかに過ぎていく。あと何日かで姫が受験に突入する。行く当てのない船に乗っているかに思うけど、本当はすでに人生の船は水の上をいずこかに向かって走りだしているのだ。たかが高校受験ではないかと思うが、その「たかが」で今後の方向が大きく変わってしまうのも事実だ。娘の人生だ。親の人生ではないと分かっているが、まだ15歳で人生の最初の決定を子ども自身がしてゆくのは無理がある。今までは親の転勤について歩くことで自分の進路はあらかじめ決まっていた。高校は初めて自分自身が選択に参加する。ここでも最終的には親の経済力が物事を決めてゆくのは仕方がないこと。お好きなところにどうぞとはいいかねる現実があるから。それでも、穏やかな一日を与えられていることは幸せだと思う。頑張れ若造。