あの子の

形見が気が付いたら消えていた。肌身離さず身に着けていたのに。親分はきっとどこかにあるから気に病むなという。その言葉に救われた思い。親分のいいところは人を攻め立てない。必ずその人の気持ちに抜け道を残しておいてくれる。いつかきっといつか見つかるから。その一言がどんなに私を立ち直らせてくれたか知れない。日々の生活の中でこんないたわりが私に出来るだろうか。
 今日も午前、午後と心を病む人と会う。穏やかな日でありますように。ささくれませんように。お日様がきらきらしているから、日焼け止めをしなければ夜になって熱が出る。長袖を着てズボンを履くかハイソックスで肌の露出を極力防いで何とか日常生活を送っている。
 さあ今日も何があるかお楽しみに、行こう。主の平和のうちに。

見つからなかった形見の品は、パジャマの胸ポケットに隠れていました。いないいないばあと出てきて嬉しかった。