林檎

今日は朝一番の仕事として、大切に一冬頂いていた林檎の最期の何個かをアップルソースにする。豚肉のソースにしてもよいしピューレにしておけばヨーグルトにかけてもクレープにかけても使えるし。生のままこれ以上の保管はもう暖かくなって無理なので。
 いつも思うのだけど時間が経って水分が抜けて行く林檎はどんどん味が濃くなって不思議な甘さを作り出す。アメリカで干し林檎を作っておばあちゃんの顔に見立てて人形を作ったりするけど、あの干し林檎のよさが分からなかった。急いで食べきる事を止めて大切に保管しながら自然に任せてみたら何ともいい感じ。先人の知恵というか。ふ〜むナルほど。
 時々アーミッシュの生活の資料を読み返すと、今の自分の生活にかけているもの、手を掛け時間をかけなければ味わえない生活の楽しみに行き着く。暮らす事が喜びであるいき方を実現して行きたいと、彼らの暮らしの中から学ぶ。日本人の暮らしもソウだったはずなのだ。父や母の時代は。便利さと引き換えに時間が作り出すものまで生活から失ってしまったような気がする。私たちの生活の中から顕著に失われたものは熟成の発想だろう。人も物も時間を書け待つことによって熟成してゆく。朝っぱらからそんなことを考え先ずは林檎の調理に取り掛かろう。