勢力争い

 蛙ちゃんが白い仔猫を連れてきた。一応病気の有無と健康状態を調べるために獣医に連れて行ってOKが出たのでつれてきた。チビ猫ではあるが栄養不良で脊椎の長さから推定で4ヶ月はたっているとの事。ちぐらと殆ど同じか少し若い程度。体が一回り小さい。男の子だそうな。やたら人懐こくて抱かれたがるから最近まで誰かが買っていたのだろう。ちぐらを見て擦り寄っていくがちぐらは自分以外の猫を見た事が無い。自分が猫であるという自覚も無いだろう。突然人間以外の何かが現れて自分に近寄ってきたら怖いだろうな。そこで見合って一瞬でちぐらが逃げ出し、勝負あった。
 侵入者は勝手にちぐらの水飲みから水を飲み、えさを食べ、ちぐらのお気に入りのイスで寝る。ちぐらは唖然としそれでも追い出すわけでもなく黙って片目で眺めている。見ようによっては諦めているのか、攻撃のチャンスを待っているのか分からないが、人間が期待した抗争事件は起きなかった。
 よく見るとこの新入りは耳と尻尾と手足の先が微かにオレンジがかっていて顔つきはシャムっぽい.瞳の色は水色。すらりとして洋猫っぽい。ちぐらはアメショウのミックスだから丸っこい体つきをしている。時々見詰め合ってそっと鼻と鼻をくっつけてはパットにげる。猫が自分を猫だと認知するのは何処でだろうか。ちぐらが自分を猫だと知るのは何時なのだろうか。見ていて面白くてならない。ちぐらのテリトリーが何センチなのかは分からないがある程度白猫が近づくと低くヴヴヴ・・とうなるので威嚇しているつもりらしい。クリスマスのリボンの取り合いでちぐらがパンチをした。白猫は「へっ」と無視した。この勝敗どうなるのだろうか。いずれにしても上下はつけなければならないだろう。