終業式

 今日で中学の一年が終った。見慣れた兄の制服を着た、体つきの良く似た男子生徒と一緒に一日を過ごす事はどれほど辛かっただろう。文集のクラスの人気投票の一覧表に「前向きな人」「フレンドリーな人」の箇所に娘の名前を見たとき、泣けてきた。大人のわたしでさえ似た姿の男子生徒を見かけては息を呑んだ。涙が溢れてきた。毎日どんな思いで通い続けたのだろう。強い心を持った人に成長したのだと思った。私は大丈夫だから、と何度も私を励ましたのは娘の方だった。私はまだまだ時間が必要だ。時々「ナゼあの子がいないのだろう」とつぶやく自分の声に気がつく。ふと声に出てしまうのだ。こんな日を重ねて、受け入れてゆくのだと分かっていても、子供の死になれる事はできないものだ。