レント

 四旬節の事をレントという。キリストが裁かれて、人間と神の間に立たれて犠牲となる最後の日々を私たちはたどる。今週は聖木曜日、受難の金曜日、光の土曜日、復活の日曜日と続く。子供の頃は四旬節は、楽しみよりも苦しみが先立つので嫌いだった。理解できなかった。大人になって、親を亡くし子供を亡くし沢山悲しいことを味わってくるとレントが、ありがたいものとなった。喜びだけでは、苦しい。この深い痛みと悲しみの日々があるから、私は心を保つことが出来るのだとわかった。レントがあるからこの苦しみと悲しみの中にあっても生きていけるのだと分かった。今、まさに最後の聖週間である。この日々があるから、痛みに満ちた自分の人生を受け入れてゆけるのだ。悲しみに晒された人間は、ひっそりとほかの人の痛みに寄り添う事が出来るようになるらしい。今週の日曜日はイースターです。もう直ぐギュダ君が旅立って一年になろうとしています。いつの日にか彼ともう一度同じ気持ちを分かち合う日が来ると思いたいのです。