神戸から、いかなご

 阪神大震災のときご縁が出来た神戸の方が、復興以来毎年いかなごを贈ってくださる。春の味で、この季節が来ると楽しみに待つようになった。私たちにとって、神戸の味は、彼らが一年をちから一杯生きてきたよと、知らせてくれているように感じる。ちょうどイースターの前の四旬節で。禁欲・断食・犠牲・償いなどと言う切ない言葉が飛び交う時期だから、余計「春だよ」とささやかれているようで嬉しい。私からは、特定農家の新米の採れたてを送ることにしている。お米はやっぱり東北のものが美味しいと思うから。皆飽きてしまったらしいけれど宮城のササニシキの、美味しいものはおかずなんて要らないくらい美味しいよ。今夜の食卓は海の春を目一杯頂こう。