本番

愛想のいい狛犬

 センター試験当日。朝5時に目覚ましがなって「眠いいいいい」といいつつも起きて朝ごはんをしっかり食べた。お昼はお弁当よりも「お結び」がよいというので結ぶ。梅干・鮭フレーク・たらこ。ギュダ君の写真を一枚持った。
 担任が会場集合7時45分とプリントを渡した。先生も新設コースの初挑戦だけに気が気ではないのだろう。今まで特進コースはあったが、姫のコースは部活も組み込まれている。部活もやれて、特進で勉強もできるというので人気が高い。その最初の卒業生になる。中高一貫コースなので中学生のお母さんに「あのコースで、国立進学どうですか」と聞かれて、部活もなしでひたすら勉強だけというのは抵抗感があるのだなあと思った。別れしな「コースを変更してもらい、そっちに進学させます」といわれて、複雑な気持ちになった。そして思った。きっと姫たちは、何をしても成果を出せといわれ続けたのだなあ。その三年間の成果は大学受験結果だけではないだろうに。全人格の形成と成長が問われてしかるべきだろうに。担任だけではなく、生徒もまた自分たちのコースに対する責任を感じているようだ。先輩がいないということはなかなか大変だなあと思った。特進コースは、部活なしのコースが前からあったので、進学の成果をそのコースと比較される。大切なものを見失わないようにしたい。
 マスクをかけ、簡易カイロを持って出かけた。引越し以来、いくら探しても制服のコートが見つからずとりあえず私服のダウンコートを着ていった。今日はもう違反してもごめんしてもらう。見なかったことにしてください。見つからないから今までコートなしで通学していた。
 私は今日はSV三昧。朝10時から19時までびっしり担当する。明日も。私は私の持ち場で頑張るから、姫は姫で頑張れ。

 二台の車を使っているがタイヤを交換したのは私の車だけ。というわけで今日は親分の車は使用せず、私の車で送り迎えを頼むことにする。いちいちお迎えお願いしますというのは面倒で時間の無駄があるのでいやなのだけれど、雪が・・・積もっている。仙台は丘陵地帯を切り開いて街を広げていったから中心街を外れると、なだらかな丘陵になる。アップダウンしながら街が出来上がっている。結構厳しい勾配だから、夏タイヤでは無理。
 しかし雪そのものがめったに降らないから、この街の人たちはあまり冬タイヤに履き替えない。毎日走っている私でさえ「冬タイヤって年に一回必要なだけなのに」と思う位だから。
 ゆっくり走らねば酷い目にあいそうだな今日は。受験生の禁句だけれど、「今日はSUBERU」ぞ。