2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

風は冷たくて

コートの襟をそば立てなければならないほど。手袋なしでは指先が凍える。それであっても光は確実に春の光だ。この微妙な空気の違いをなんと表現したら良いのだろうか。 あの日もこんな何気ない一日であった。激しく揺れてそして思いもかけない大きな雪が降っ…

悲嘆の中で

ふと現実を超えて息を吸いたくなった。研修に明け暮れて走り続けた2013年だった。学ぶこと、訓練を受けること。そしてそのことを新たに学ぶ人達に伝えることを身を砕いてやってきた一年間だった。自分もまたここから一歩でも先に進みたくて、ある資格に…

一つ山を越えて

さあ自分は何をしたいのだろうかと、自分の中を覗いている。やりたいと思うことは1つずつ地道に手にやってきた。今渡しが目指しているのははっきりと言葉にならない、胸の中の囁きだ。非常に抽象的で歌活かしてゆかないけれど、確実にそこにあり続けるもの…

生きていることが嬉しければ

自分の夢があれば、そしてその夢に向かって走っていければ人は生きていることが楽しく感じるものらしい。はたから見て大丈夫なのかと思ってみても、そのことがささやかであったにしても、先につながっていくものならば生きることが楽しいと感じるものらしい…

枝先がほんのりと萌えて

もうすぐ芽吹きの季節がやってくる。それはささやかな変化が積み重なって鮮やかに姿を現す。まるでページをめくるように。自分の気持も季節の風のなかでゆるやかに変化してゆく。今、ここで起きている事柄から、自分を切り離して考えられるような一瞬が持て…

ひな祭り

華やいだお祭りだと思っていたのに、ひな祭りは静かな鎮魂の日になった。厄を身にまとい身代わりになって消えていく定めの紙の人型が、雛の原型だと言われるが、あの悲しみの日が近づくに連れ、流されていく雛のイメージがなんともやるせなく切ない。多くは…

アンネの家

かつてまだスナフキンが幼かった頃、アムステルダムのアンネの家に連れて行ったことがあった。日記に描かれていた通りの隠れ階段を登り、狭い部屋に入った。そこの窓から通りを見下ろすときっとこのままの風景があの日もあったのだろうと思えた。何も変わっ…

あっという間の四年間だった

あの地震がなければ、私達はこの街を去って盛岡に戻るつもりだった。あの地震があって、すっかり計画が狂ってしまった。住居環境がすっかり様変わりしてしまい、まだまだ不安が残るこの街にもう少し家族で住むことにした。姫や大将が自立していないわけでは…